FX自動売買ツールの選び方と成功のコツ
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FX自動売買を行うにあたり、どのFX自動売買ツール(EA)を選ぶかは結果に直結する大きな選択です。
これは初心者に限らず、すべてのトレーダーにとって重要な選択だと言えるのではないでしょうか。
EAは大変便利なものですが、どのような基準で選べばいいのかわからず悩む方も多いと思います。
セミナーなどで初心者の方とお話ししていると、「そもそもどうやってEAを入手すればいいのか分からない」という声もよく耳にします。
今回は、初心者の方向けにFX自動売買ツール=EAの入手方法を、そしてすべてのトレーダーの方に向けて、これまで私が数々のEAを使用してきて感じた選び方のポイントと、EA稼働後の成功のコツについてお話ししていきたいと思います。
EAの入手方法
EAの入手方法は、主に3つのパターンに分けられます。
無料のEAをダウンロードして使う
Webで「EA 無料」「EA ダウンロード」などのワードを検索すると、開発者が無償で配布しているEAを見つけることもできます。
ただ、無料のEAには危険が伴うものが多いのも事実。
EAをダウンロードする際に入力するメールアドレスや住所などの個人情報収集を目的とした悪質なサイトもありますし、実際に無料でダウンロードできたとしても、プログラム自体が粗悪な場合も少なくありません。
危険なサイトの見分け方として一例を挙げると、
◆「ひとつのEAで全通貨ペアに対応!」などの文言
※EAはひとつの通貨ペアごとに制作されるのが基本です。無料で手に入る範囲のもので全通過ペア対応のツールを私は目にしたことがありません
◆プログラムは無料、ただしダウンロード後に取引するため特定金融機関や口座への入金を促すようなガイダンスがある
※証券会社が公式サイト上で無償プログラムを配布する代わりに自社口座の開設をお願いするようなものであれば問題はないのですが、それ以外のメディアや個人のWEBサイトから特定の金融機関や口座に入金することを促す=詐欺の可能性が高いです
……このようなサイトには注意が必要です。
もちろん信頼できるEA開発者もいますが、上述したように必ずしも安全とは言えない場合もあるため、もしダウンロードするのであれば入念に動作検証を行ってから利用することを推奨したいです。
アフィリエイトプログラムで配布しているEAに利用申請を行う
いわゆるIB(Introducing Broker)を行なっている事業者または開発者に申請を行い、配布しているEAを手に入れる方法です。
IBとは、顧客が事業者の指定する口座で取引を行う見返りとしてEAを入手し、EAを配布する事業者または開発者はアフィリエイト報酬を得るというビジネスモデル。
EAの成績が良ければ永続的に報酬を得られるため、優秀なEAを配布している開発者も一定数います。
先にお話しした無料EAと大きく違うのは、前者はEAを証券会社の縛りなく自由に使えることが多いのに対し、こちらで配布されるEAは指定証券会社の口座でのみ使用できるなど、使える環境が定められている点です。
しかし、こちらについても一部ユーザーの資金量を鑑みることなく資金力にそぐわない無理な取引を行うようなロジックのEAも存在するので、実際に使用する前には必ず動作検証を行なってください。
有料のFX自動売買ツール(EA)を購入する
販売サイトからEAを購入して利用する方法です。安価なものから高額なものまでさまざまなものがありますが、いずれも比較的高精度なものが多い印象です。
購入前に購入者のレビューや、直近のフォワード結果(リアルタイムな取引履歴)を確認できるとより安心です。
また、スプレッドや手数料はFX業者によって異なるため、開発者が想定していない業者でEAを利用すると取引結果に乖離が発生する可能性があります。
購入したEAは、そのEAの開発者が推奨するFX業者で運用を行うことをおすすめします。
FX自動売買ツール(EA)の選び方
さて、入手方法がわかったら次はEAの選び方です。
実際にどのようにしてEAを選ぶべきか。
こればかりは個々のトレードスタイルや目的によって何がベストかも異なるので一概に「コレだ!」と言い難い部分でもあるのですが、無償版にせよ有償版にせよ、気になるものがあればまずは使用感や自身のトレードスタイルに合っているかを検証するところからです。
※検証方法については以下の記事をご参照ください
「自動売買におけるポートフォリオの組み方 バックテスト編」はこちら
検証の際は、各EAの条件を揃えたうえであらゆる場面を可能な限り想定して検証したいので、
- トレードする通貨ペアを1つに絞り込む
- 取引のタイミング、回数、ポジションの保有時間にバリエーションを付ける
この2点は必ず抑えていただきたいです。
また、ひとつのEAだけに依存した運用もおすすめできません。
すべての取引期間で万全の結果を出せるEAは存在しないため、複数のEAを使用して運用を分散させることにより、リスクの軽減を図る必要があります。
そのため、複数の候補ツールに対して検証を繰り返し、最低3つ以上のEAを選んで運用していくことをおすすめします。
FX自動売買を成功させるコツと成功の定義
使用するEAを厳選し運用を始めた後、「いつ、どうなれば成功と言えるのか」と問われた時、あなたはすぐに答えられますか?
実は意外とこの定義を、自身の中できちんと定められていない方が多いです。
資産運用は基本的にずっと続いていくものです。「どの時点で何を基準に成功と判断するのか」が曖昧なままだと、「現時点での自分の状態」を都度正しく判断することができませんし、基準が無い状況は重要な判断を狂わせることにも繋がりかねません。
まずは自身の中で成功の定義を明確に決めること。
これは成功を呼び込むにあたって、非常に重要なポイントです。
私自身は成功の定義を「年間収支がプラスとなり確定申告で納税していること」としています。
ちなみに、余談ですが国内FX業者と海外FX業者で納税方法は異なります。
国内FX業者から収入を得た場合、申告分離課税(所得を他の種類の所得と合算せず分離して課税すること)で納税することになりますが、海外FX業者からの収入を得た場合、その所得は「雑所得」扱いになります。
トレードによって獲得した利益の金額が大きい場合は国内FX業者を使用した方が得な場合もありますが、少額での取引が多い方や所得が低めな方の場合は、海外FX業者の方が良い場合もあります。
2024年現在の税制に沿って具体例を挙げると、課税される給与等(課税される所得金額)とトレードでの収益を合わせた金額が3,299,000円以下の場合、海外FX業者で運用していればその収入は「雑所得」となるため税率を10%に抑えられますが、運用を国内業者で行っていた場合は申告分離課税となるため税率が20%になります。
これは細かく解説するととても長くなりそうですので、また別の機会に詳しくお話したいと思っています。
話を本筋に戻します。
FX自動売買成功のコツとして、短期間でEAの良し悪しを判断せず、ある程度の期間運用したうえで評価し継続していくことも重要です。
どんなFX自動売買ツールを使用していたとしても、思った通りの結果が出ない取引は必ず出てきます。しかし、その1回の結果や感情で判断していては、結局どんなツールを使ったとしても上手くいきません。
まずは一定期間運用を行い、
- 週ごと、月ごとの収益はプラスだったかマイナスだったか
- そのEAを使用して自動売買を行った時に体験した気持ちや取引結果に対しての感想
このあたりをメモや表計算ソフトなどに記録としてアウトプットすること。そして一定期間が経過したのちそれを客観的な目線で見返すと、どれが自身にあったEAだったのかが分かりやすく浮かび上がってきます。
自身にとってベストなEAを探すため使用する前に検証を行うことも、選定したFX自動売買ツールを運用してその結果や使用時の感想をまとめることも、すべてはデータ収集です。
FX取引はいかに多くのデータを収集し、正確な分析を行えるかが結果を左右します。言い換えると、結果を焦りすぎないことが成功のコツとも言えるのかもしれません。
最後に、海外FX会社の利用については、金融庁が注意喚起を行っています。
基本的に海外FX会社の利用は避けるべきです。
海外FX会社の利用は、リスクを充分認識し対策も取れる中級者以上が利用の対象です。
また中級者以上であっても、金融庁が注意喚起を行っているという、リスクを充分踏まえた上での利用が必要といえるでしょう。
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