自動売買初心者が口座を選ぶ際のポイント
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今回は複数の方にご質問をいただいていた、「FX自動売買初心者が口座を選ぶ際の選び方」についてお話したいと思います。
前提として、FX自動売買EAにおける口座選びは「稼働したいEAに合わせた口座選び」が最優先です。
そして、証券口座を作る際の基準は「スプレッド」と「約定力」の2点を中心に選定することをおすすめします。
その理由について、順番に説明していきましょう。
運用したい通貨ペアのスプレッドが狭い証券会社を選ぶ
口座選びが重要なことは言わずもがなですが、特にFX自動売買EAにおいての口座選びはより重要度が増すと言えます。
その理由は、「自動売買EAは通貨ペアありきでプログラムを構築しているから」です。
例えば同じUSDJPYでの運用を行ったとしても、「A証券会社のスプレッドは0.3」、「B証券会社では0.2」といったように、証券会社によって通貨ペアごとのスプレッドが異なります。
ですので、口座選びのひとつめのポイントは「運用したい通貨ペアのスプレッドが狭い証券会社を選ぶ」ことです。
よく管理が簡単だからという理由でひとつの口座しか持たない方もいらっしゃいますが、私はひとつの証券会社に絞りこむよりも、通貨ペアによって複数の証券口座を使い分けそれぞれを並行して運用する方が、収支は良くなると考えています。
仮に狭いスプレッドで想定通りの約定での取引を行うことができれば、手数料を抑えたうえで過去のバックテスト通りのトレードが再現される=最終収支が上振れする可能性があると言えます。
0.01のスプレッドの違いでも、10回重ねれば0.01×10=0.1。
回数を重ねるごとにコストは肥大化し、発生する差異は広がり続けます。
通貨ペアごとのスプレッドは各証券会社のサイトで公開されていますので、口座開設を行う前に、自身の運用したい通貨ペアのスプレッドが各社でどのように設定されているかを調べてみてはいかがでしょうか。
正確な約定ができる証券会社を選ぶ
ふたつめのポイントは、「正確な約定ができる証券会社かどうか」です。
いくらバックテストでシミュレーションを行ったところで、想定通りの約定ができないと理想の結果からは大きく乖離してしまいます。
バックテストは本来正確な約定を前提として過去データから結果を導きだすものなので、その前提が崩れると、想定通りの結果が望めなくなるというわけです。
例えば指値注文で「ドル円の150.000円で買い」と注文を出したところ、約定結果が151.002であった場合、0.2銭高く買わされたことになってしまいます。
差としては微々たるものかもしれませんが、これも回数を重ねたり金額が大きくなったりすると、年間の収支結果に大きな影響が出ると考えられます。
また、取引量が大きくなればなるほど、不利な約定になる可能性が高まるという事も念頭においておかないといけません。
こういったリスクを回避するために行いたいのが「事前の約定力テスト」です。
各通貨ペアごとに適した口座を選ぶための約定力テスト方法
約定力をテストする具体的な方法について、例をあげて説明しましょう。
正確な約定ができるか、そして取引結果が理想通りの結果になるかを検証するためには、1か月ほどのフォワードデータを取得する必要があるので、最小の取引量でリアルマネーでの運用を実際に行います。
例えばUSDJPYで稼働を想定しているA、B、C3社の約定力をテストするのであれば、A、B、Cそれぞれに同額の資金を入金して、同じ取引量でEAを稼働させます。
1ヶ月後に結果を確認すると、おそらく証券会社によってエントリーや決済のタイミングがそれぞれ異なっていて、結果として収支にも差が出ているはず。つまり、いちばん良い収支を出した証券口座がその通貨ペアに適した口座であると言えます。
口座を利用し始めてから注意すること
使用する口座を選定してEAを稼働し始めてからも、メンテナンスとして定期的に口座の約定履歴を確認することは必要です。
指値注文や逆指値注文を入れている注文額と乖離した額で約定しているなど、自動売買EAを稼働するうえでトレーダーにとって不利な挙動が頻発するような場合には、システムエラーであれなんであれ資金を引き上げ他の証券会社の口座へ変更することをおすすめします。
証券会社はシステムエラーには過敏ですので、極力発生させずエラー発生時には迅速に対応できる体制を作っていたり、エラーによる損失を出した際には補填を行える仕組みを持っている会社が多いです。
そのため、候補としている証券会社で過去にトラブルが発生した際の対応などを調べることも、口座選びの参考になるかもしれません。
また、ここまで証券口座を自身で選ぶ場合の選定基準について説明してきましたが、使用したいEAが開発者によって稼働業者を指定されているものである場合は、その指示に従った方が賢明です。
自分の思い込みや怠惰な管理で口座を選定せず、使用するEAや通貨ペアに適した口座を正しく選ぶことが、結果的に大きな利益へと繋がるのではないでしょうか。
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