自動売買でファンダメンタルズは必要なのか|自動売買に重要な指標を解説
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自動売買で
ファンダメンタルズは必要なのか
ファンダメンタルズ分析の必要性
ファンダメンタルズとテクニカルの違いについては前回の記事で大まかにお話をさせて頂きましたが、
今回は自動売買におけるファンダメンタルズ分析の必要性に関してお話していきたいと思います。
過去の記事では裁量トレードにおいてもファンダメンタルズ分析が役立つという事でしたが、
当然自動売買においても活用する方が有利になります。
「FXのテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析とは? |自動売買を始める前に理解しておくポイント」はこちら
例えば4年に1度の米大統領選挙前は比較的狭い値幅での小動きが続くものの、
選挙前後からは一転一方向への大相場に向かうパターンが続いてきました。
トランプ大統領就任時の大統領選挙前後、トランプラリーと言われる米金利と米ドルの急騰が起きるなど、
この時期のチャートを引き合いにするとドル円が2016年10月から2017年1月にかけて大きく上昇したことになります。
金利との相関性の観点からも、政治的な動向を理解しておくと戦略が立てられます。
この11月の大統領選挙の時期を例にすると、秋口からの上昇トレンドを見越してトレンドフォローのEAを導入していく事がカギになったわけです。
重要指標がもたらす自動売買への影響
自動売買において指標発表は非常に重要な要素ですので、意識する必要があります。
指標発表は市場に大きな影響を与えるため、その影響を考慮して自動売買システムを稼働する事が重要です。
それでは具体的に指標発表を意識すべき理由を挙げていきます。
まずは市場のボラティリティが増加することです。
指標発表時には価格の急激な変動が起こり、自動売買システムが不適切な取引を行うリスクが高まります。
指標発表が市場の予測と一致しない場合、市場の予測とのズレが生じ、市場の動きが予測通りではなくなることがあります。
このような場合、自動売買システムが予測通りの取引を行うことが困難になります。
また、価格の急激な変動が起こりやすいという事です。
指標発表の影響で市場が予期せぬ方向に急激に動くことが多々あります。
このような状況下では自動売買システムが価格の急激な変動に適切に対応できるように設計されている事が望ましいでしょう。
次に指標発表時には取引のスリッページが発生しやすくなる事です。
スリッページとは注文レートと約定レートの差の事であり、注文したタイミングと注文が通るまでの瞬間でズレが生じる事です。
自動売買システムがこのようなスリッページを最小限に抑えるためのメカニズムを持つことが重要です。
以上の理由から、
指標発表は自動売買において意識すべき重要な要素であり、システムの設計や運用において考慮されるべきです。
そもそも重要な指標発表は為替動向に何をもたらすのか。
一般的に雇用統計といわれる重大な指標発表では雇用統計の改善が見込まれるとドル買いに繋がり、
ドル円は上昇が見込まれるので、ロング(買い)戦略を立てるユーザーが多いとされます。
米国雇用統計とは、
アメリカの雇用の情勢(失業している人数や就業している人数など)を調査した統計で、重要な経済指標の一つです。
しかし重要度が低い発表に関しては値動きが少ない場合も多いです。
そのため過度な期待は寄せず、指標発表でも重要度の低いものは上下どちらに振れても稼働し続けられるよう配備しておくというのが正しいと言えます。
(この点は稼働させるEA、ロジックにより異なります。)
自動売買運用時に覚えておきたい重要指標
実際に自動売買を運用する際に覚えておきたい重要な経済指標として下記が挙げられます。
【GDP(国内総生産)】
GDPは経済の全体的な活力や成長率を示す指標であり、市場への影響が大きいです。
【雇用統計】
失業率や雇用の増減は経済の健全性を示す重要な指標であり、これが市場予想を上回ると大きく動きが生じます。
【インフレ率】
インフレ率とは物価の変動を示す指標であり、中央銀行の金融政策にも大きく影響します。インフレ率の上昇は、中央銀行が金利を引き上げる可能性を示唆することがあります。
【中央銀行の政策金利】
中央銀行の政策金利の変化は通貨の価値や市場の動向に大きな影響を与えるため、自動売買システムを稼働させる際は中央銀行の発表に注視しておく必要があります。
【消費者信頼感指数】
消費者信頼感指数は消費者の経済活動に対する信頼度を示す指標です。
指数の上昇は経済活動の拡大を示唆し、消費行動にプラスの影響を与えることがあります。
代表的なものとして上記5点が市場の動向やトレンドを理解する上で重要な情報源となります。
重要指標の理解と活用
指標発表の度に一方の方向へ明確に値動きし、且つ大きく動くわけではありませんので全てを把握しておく必要はありません。
重要度の高い材料を把握し備えて事でリスクを排除出来ます、是非その点を意識して自動売買を稼働していきましょう。
終始エントリーをし続ける様なEAでない限り、為替介入を疑われる時期はクロス円での稼働を取りやめる、といった配慮が必要になってくることでしょう。
例えば豪ドルAUDUSD、AUDJPYなど資源国通貨で取引を行うのであれば、
1.豪州準備銀行の政策金利
オーストラリア準備銀行(RBA)が原則毎月第1火曜日に発表する。
2.豪州国内総生産(GDP)
国内総生産は国の経済状況を表す重要な指標。
3.消費者物価指数(CPI)
オーストラリアのインフレ動向を把握するのに注目される経済指標。
4.豪州雇用統計
オーストラリアの雇用状況を把握し景気を測るのに重要な指標
これらを意識しておく必要があります。
これは自動売買に限らず裁量トレードにおいても癒える事ですが、
金融市場において自分が身を置く分野、国における世界の動きを理解しておきましょう。
これを常に意識している事で指標発表の都度、適切な判断が下せます。
特にこちらのサイトのように指標発表のスケジュールを細かく記載しているサイトを活用していく事を推奨します。
経済指標カレンダー| GMO外貨 (gaikaex.com)
まとめ
今回の記事では自動売買と指標発表の関係について大まかに述べさせて頂きましたが、あまりこれらに囚われ過ぎても自動売買の良さを消してしまう事に繋がります。
重要度の高い指標発表がご自身の稼働させるEAにどういった影響をもたらすのか、その点を意識して活用していきましょう。
自動売買を行う際にはこれらの指標に対する市場の反応を理解し、実際にそのニュースが出た際、過去の相場ではどうなっていたか?
また、ロジックとの相性がどうなっているかを把握し適切な取引戦略を立てることが重要です。
そういった実例も過去チャートから洗い出していく事が安心感に繋がるので、
しっかりバックテストを行った上で自動売買を稼働させましょう。
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