自動売買におけるポートフォリオの組み方 バックテスト編
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自動売買におけるポートフォリオの重要性と目的についてはこちらの記事でお話しした通りですが、
今回は実際にポートフォリオを組む際、最初に必ず行っていただきたいEAのバックテストについて解説したいと思います。
「ポートフォリオの重要性」はこちら
ポートフォリオを組むにあたって、最初に行うことはEAのバックテストデータの算出です。
自身が運用しているEAの過去の取引結果をバックテストにより算出し、EAの特性や傾向を把握しましょう。
販売されているEAでは過去の取引結果レポートをレポートとして出力したバックテストデータが公開されていますが、
そのデータを出力するにあたってTDS(Tick Data Suite)が使用されていない場合もあります。
(TDS(Tick Data Suite)について差し込み)
そのため、精度の高いポートフォリオを組むためには、運用しているEAのバックテストデータが公開されている場合であっても、改めて自分自身で各EAの再テストを行うことをお勧めしています。
バックテスト結果を出力する手順
(1)MT4からTDSでバックテスト結果を出力する
MT4に備わっている「ストラテジーテスター」の画面内で、バックテストを行いたいEAと取引結果を算出したい期間を選択します。
(特にこだわりがないようであれば、期間は10年程度を推奨します)
次に通貨ペアの選択を行いますが、ここで資金量と取引ロット数の設定も行ってください。
資金量と取引ロットについては、「実際取引を想定するロット」の数値を入力します。
以上の入力が完了したら、バックテストを開始します。
バックテストが終了すると、バックテストレポートが出力されるので、その内容を確認し、分析に必要な各項目データをまとめていきます。
(2)EAの売買傾向を確認する
バックテストレポートが出力されたら、最初に確認する項目は「勝率」です。
そのEAのロジックは「買い」の勝率が高いのか、それとも「売り」の勝率が高いのかを確認します。
対象とした通貨ペアの10年間のトレンド(値動きの方向性)とも比較して、トレンドに合わせて「買い」が優勢だったか「売り」が優勢だったかも把握します。
例えば、ドル円はこの10年上昇基調のトレンドが発生しています。
これを前提として、値動きが上昇しているトレンドの中で「売り」の勝率が高い場合は、長期的な方向性とは逆に取引する、逆張り的なトレードが得意なロジックと位置づけられます。
反面、「買い」の勝率が高い場合は、トレンドに順行したトレードが得意なロジックとして位置づけることができます。
(2)EAの売買回数を確認する
次に確認するのはEAの取引回数です。
そのEAのロジックは「買い」の回数が多いのか、それとも「売り」の回数が多いのかを「売りポジション」「買いポジション」の項目を確認しましょう。
取引回数の「買い」と「売り」のバランスを見ることにより、一方向のトレードに偏っていないかを把握します。
いずれかに偏りがあるEAの場合、通貨ペアのトレンドが長期的に反転してしまうと値動きに対応できなくなる可能性も出てきます。
そのため、「買い」と「売り」の回数が同じくらいになっているものが、バランスの取れたEAだと考えています。
一方で、取引回数が「買い」または「売り」に偏ったEAは、トレンドに合わせて意図的に調整を施されたEAであるとも言えます。
(3)相対ドローダウンを確認
「相対ドローダウン」とは、バックテスト期間中、最も下落率が高いドローダウンを指します。
これを見ることで、設定した通貨ペアのバックテスト期間中最も高い下落率=損失率を把握することが可能です。
相対ドローダウンは60%以下の数値が適切であると考えています。理由としては、それ以上の数値になると運用開始時点から大きな損失に見舞われる恐れがあるためです。
EAのロジックや取引ロット数にもよりますが、おおよそ20%~50%前後が適切な値であると考えます。
まとめると、ポートフォリオを組むための事前準備として行うバックテストで確認すべき項目は
- EAの売買傾向
- EAの取引回数
- 相対ドローダウン
この3点です。
これらを確認し、各EAの特性と傾向を把握できたらここでのデータを踏まえてExcelなどの表計算ソフトを使用しポートフォリオをまとめていきますが、
こちらについてはまた別の記事で詳しく解説したいと思います。
「自動売買におけるポートフォリオの組み方 Excel編」はこちら
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