FXの自動売買(EA)を動かすには証拠金はどのくらい必要?
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証拠金とレバレッジについて
FXでポジションを持つために必要な証拠金は、それぞれの通貨ペアの現在のレートによって異なります。証券会社ごとに設定された証拠金維持率を下回るとポジションが強制ロスカットされるので注意しましょう。
1万通貨(0.1lot)のポジションを持つために必要な証拠金
レバレッジ25倍の国内FX(個人口座)の場合、取引を行うためには、その通貨ペアの現在のレートに対して25分の1の証拠金が必要です。
例えば、現在のドル円(USD/JPY)のレートが1ドル=150円の場合、1通貨あたり25分の1である150円÷25=6円の証拠金が必要です。
したがって、1万通貨のドル円取引を行うために最低でも必要な証拠金は、1万通貨×6円=60000円となります。
証拠金維持率と強制ロスカット
証拠金維持率とは、FX口座内の「純資産÷必要証拠金×100(%)」を計算したものです。強制ロスカットの判定に使用します。
証拠金維持率が設定値以下になった場合、強制ロスカットが発生し、
証券会社がポジションを強制的に決済して損失を最小限に抑える仕組みです。
この際、残された証拠金が証拠金維持率を上回るまでポジションを自動的に決済します。
一般的に、この設定は20%から100%程度とされています。
証拠金維持率や強制ロスカットの設定は証券会社によって異なるため、取引を行う前に証券会社の取引条件を確認することが重要です。
EAを動かすために必要な証拠金
投資の目的は人によって異なるため、必要な資金や利回りも人それぞれですが、一般的にどの程度の資金が必要かについて説明します。
EAの種類によって必要な証拠金は異なる
EAが取引する通貨ペアや取引戦略によって、
リスクの大きさやポジションの保有枚数が異なるため、必要な証拠金も変動します。
くわえて、EAに設定されたロットサイズや証拠金率によっても必要な証拠金が変わります。
EAが複数の取引を同時に行う場合や、ボラティリティが高い市場で取引を行う場合は、必要性な証拠金が増えます。
こうした理由から、EAごとに取引条件やリスク管理が異なるため、必要な証拠金も異なります。
FXの自動売買を行う際には、EAの取引条件やリスク管理設定を十分に理解し、適切な証拠金を確保することが重要です。
最低でも50~100万円以上は準備したい
FXにはレバレッジが存在するため、少額の資金からでもEAを動かすことは可能です。
しかし、1回の損切りで資金の大半を失うようなロット設定では、安定して資金を増やしていくのは難しくなります。
年間を通じてどのくらいのリターンを狙うのかは、稼働するEAの性能や個人の目標によっても異なります。
とりわけ自動売買においては、時間をかけて取引回数を重ねることで長期的に利益を積み上げていくのが大切なので、
何度も損切りしても大丈夫な、余裕のある資金管理が重要です。
一般的な株価指数やETFの利回りが5~10%前後と言われていますので、それを超えるリターンをEAの運用で稼ぐことが最低限の目標です。
具体的には年間で10~20%前後のリターンを得ることが第一目標であり、30%を超えるリターンを出せれば非常に優秀といえます。
また、資金が多ければ多いほど、より少ない利回りでも大きな金額を稼ぐことができるため、より多くの証拠金でEAを運用することも重要です。
VPSの費用やEAの購入代金も加味すると、50~100万円程度は最低でも準備しておきたいところです。
その他の重要なポイント
上記の内容以外にも、損切りの金額や最大ドローダウンを踏まえてロット設定をすることが大切です。
バックテスト時の最大ドローダウンが資金全体の15〜20%になるようにロット設定
FXの自動売買を行う際に、
あらかじめバックテストで得られた最大ドローダウン(一番資金が減ったときの谷の深さ)を、資金全体の15〜20%以内に設定すると良いでしょう。
これはつまり、過去に一番資産が減少した金額の5~7倍程度を用意するということです。
一見して安全すぎるように思えるかもしれまえんが、最大ドローダウンは運用を続けていくうちにいずれ更新される可能性があります。
これくらい多く資金を用意してEAを運用することで、口座が破綻する可能性を低く抑えることができます。
また、資金に対して大きなドローダウンが発生すると、精神的なストレスから運用の継続が困難になります。
個人差はありますが、例えば100万円の資金が50万にまで減ってしまったら、多くの人は平常心を保てないはずです。
稼働するEAの数が多いほど、必要な証拠金も増える
複数のEAを同時に稼働させる場合、それぞれのEAが同時にポジションを持つ可能性があります。
そうなると、必要な証拠金の金額も増えるので、十分な証拠金を用意してリスクを管理する必要があります。
くわえて、複数のEAを同時に稼働させると、取引頻度が増加します。
これにより短期間でより大きな資金の増減が起きる可能性があるため、余裕のある資金管理が求められます。
ただし、複数のEAを組み合わせてポートフォリオを組んだ場合、
各EAの損切りや最大ドローダウンが発生するタイミングがずれることで、単一のEAを運用する場合と比較して、
最大ドローダウンが浅くなることが期待できます。
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