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FXの自動売買で儲からない理由とは?原因と対策を徹底解析

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EAを運用しても思うように利益が出ず儲からないときは、ここに書かれている内容を読んで、パフォーマンスを改善してみましょう。

儲からない理由①:勝てないEAを動かしてしまう

 

そもそも、勝てるEAを動かさなければ利益を出すことはできません。まずは性能が優れたEAを見極める方法について説明します。

【対策1】購入前にバックテストやフォワードテストの成績を確認

バックテストとフォワードテストは、EAの性能を確認する上でもっとも重要な情報です。

 

バックテストはEAが開発された時点までの過去の成績のことで、計測期間は最低でも5年〜10年以上あると安心です。

フォワードテストはEAが開発された後の実際の成績のことで、計測期間は3か月〜6か月以上あることが望ましいです。

 

バックテストとフォワードテストでまず見るべきポイントは、損益の曲線が小さな凸凹がありながらも、

全体としては均一な右肩上がりになっており、安定して利益を出しているかどうかです。

 

このグラフの傾きが一定でなかったり、長期間停滞しているものは、時期による収支のばらつきが大きいため、実運用にはあまり適さないと考えられます。

 

次に、最大ドローダウンと純益のバランスに注目します。

純益とは利益の金額のことで、最大ドローダウンとは計測期間中のもっとも大きな損失額を意味します。

 

EAのロットを決める際は、最大ドローダウンの金額を参考にすることが一般的なので、最大ドローダウンに対して純益が大きいEAほど、実質的な収益力が高いといえます。

 

その他に注意すべき点は、運用する通貨ペア、計測時のスプレッド、取引回数などがあります。

運用する通貨ペアは、最初はドル円やユーロドルなどのメジャーなものがおすすめです。

 

スプレッドは、ブローカーが提示している数値よりも少し厳し目に計測している方が安心です。

 

取引回数が少ないEAは収益機会が低く、バックテストの信頼性も低いため、十分な取引回数があるかチェックしましょう。

 

 

慣れないうちは、バックテストのどこを見ればよいのか迷ってしまうと思いますが、

もっとも重要なことはバックテストとフォワードテストの両方が公開されており、計測期間が十分あるという点です。この2つの成績がおおむね一致しており、バックテスト通りの取引結果がフォワードテストでも再現できていれば安心です。

 

市販されているEAの中には、バックテストやフォワードテストのうち片方しかないもの、もしくはどちらも公開されていないものも存在します。こうしたEAは、本当に利益を出せるのか確証がないため、利用を控えたほうが良いでしょう。

【対策2】極端な勝率やリスクリワード比率のものは避ける

トレードの勝率は高ければ高いほど良い、と考えている人もいるかもしれません。しかし実際には、勝率だけではEAの性能を評価することはできません

 

仮に勝率90%の戦略があった場合、10回のうち9回はプラスになるので、

どんどん利益が積み上がっていくような印象を受けますが、もしも負けたときの損失が勝ったときの利益の10倍あったとしたら、どうでしょうか?

 

この場合、9回の勝ち金額が+9万円、1回の負け金額が−10万円となるので、トータルでは期待値がマイナスの取引となっているのがわかります。

 

つまり勝率が非常に高くても、勝ったときの金額と負けたときの金額の比率によっては長期的にはマイナスとなるケースも存在するのです。

このような勝ちと負けの比率のことを「リスクリワード比率」といいます。

 

勝率やリスクリワード比率が極端にかたよった、いわゆる「コツコツドカン」タイプのEAは、

1回の大きな損切りで資金の大半を失う危険性があるため、

大きなロットで取引するのが難しく、大きな利益を出しづらいです。

 

1回の大きなマイナスを引き当てるかどうかで、トータルの収支も大きく変わるため、損益のムラが大きく安定しづらいのも欠点です。

 

高勝率タイプのEAは、バックテストやフォワードテストがきれいな右肩上がりになりやすいため、

一見すると聖杯のように思えます。しかし潜在的には大きなリスクを抱えている可能性が高いには十分な注意が必要です。

【対策3】しっかり損切りするEAを選ぶ

FXトレードの王道は、損小利大でリスクリワード比率が1:2以上のもの、というのは耳にしたことがある人も多いかもしれません。

 

運用するEAのすべてが損小利大である必要はありませんが、最低でもしっかり損切りを入れてくれるものを選びましょう。

 

EAのロットサイズは、最大ドローダウンの金額だけでなく、1回あたりの損切りの金額も参考にすることが普通です

 

期待値がプラスのトレードでも、1回あたりのロットを大きくしすぎれば、短期間の不調で資金を大きく減らしたり、破産してしまうリスクが高まります。

 

したがって、小さな損切りで利益を出してくれるEAほど、より大きなロットで取引できるため、結果としてより大きな利益を得られることになります。

 

現実的に考えても、1回の損切りで資金の大半を失うようなロットでEAを動かしたいと思う人はほとんどいないはずです。

 

資金が大きくなればなるほど、リスク管理の観点から致命傷を負う前にしっかり損切りをすることの重要性は増します。

儲からない理由②:すぐにEAを止めてしまう

 

勝てるEAを動かしていても、むやみに稼働をオンオフしたり、手動でポジションを決済していては、バックテストどおりの結果は得られません。

【対策1】EAの成績は長い目でとらえる

自動売買を運用していると、日々の勝ち負けに一喜一憂したり、不安になったりすることは誰にでもあると思います。

 

種類にもよりますが、毎日高頻度で取引するEAはまれで、勝ち負けを繰り返しながら月単位、年単位で損益をプラスにしていくEAがほとんどです

 

そのため、EAの成績を客観的に評価するためには長い時間がかかると考えておきましょう。

 

日次、週次などの短期間の成績は運に左右されやすく、数回の取引では何もわからないことが多いので、

多少の連勝や連敗に気持ちを揺さぶられないようにしましょう。

 

直近の結果に基づいて頻繁にロットサイズを増減させたり、

稼働を止めたりすることは、かえって収益のチャンスを逃したり、必要以上のリスクをとって損益を悪化させる原因となります。

【対策2】ある程度の連敗やドローダウンは想定しておく

稼働しているEAが連敗したり、ドローダウンが大きくなると、

本当に勝てるのか疑心暗鬼になってEAのロットサイズを落としたり、運用そのものをストップしてしまう人も少なくありません。

 

このような場合は、バックテストやフォワードテストから過去の連敗数および最大ドローダウンを参考にするのが良いでしょう。

 

MT4のバックテストには、計測期間中の最大連敗数や最大ドローダウンの金額が記載されていますので、

この数値を超えない限りはEAが想定する損失の範囲内であると考えることができます。

 

EAを稼働する前に、こうした項目に目を通したうえで、現在のロットサイズで連敗しても稼働を続けられるか、事前にイメージしてみると良いでしょう。

【対策3】EAを止めるタイミングは最初に決めておく

EAを途中で止めてしまったり、ロットサイズを変更してしまう大きな原因は、最初に「いつ稼働を停止するか」を明確にルール化していないことです。

 

損失が連続してドローダウンを更新したときは、誰しも不安になるので、あらかじめ稼働停止の条件を決めておいて、それまでは一定のロットで動かし続けるのが運用の基本です。

 

EAの稼働を停止する基準はいくつかありますが、最も一般的なものは最大ドローダウンの金額です。

 

過去のバックテストの最大ドローダウンの金額を実運用で超えたときは、EAが想定を超える損失を出していることを意味するため、稼働停止を検討すべきです。

 

そのほか、連敗数や損益の停滞期間がバックテストの数値を更新したときも、

EAが不調に陥っていると考えられるため、ロットの変更や稼働停止の目安となります。

 

ただし、いずれの指標もバックテストや実運用の期間が長くなるほど大きくなりやすい点に留意しましょう

(短期では取引回数が少ないため、最大ドローダウンや連敗数は小さくなりやすい)

【対策4】EAのポジションを自分で決済しない

EAが含み損や含み益のポジションを持っていると、ついつい決済したくなってしまいますが、

ポジションを決済するまでがロジックの一部ですので、最後までEAに任せて自分は手出ししないようにしましょう。

 

バックテストやフォワードテストの結果は、

ポジションをとって決済するまでを一貫してEAが繰り返した結果です。

 

人の手で中途半端にポジションを操作してしまうと、損益が本来とは違ったものになってしまうばかりでなく、

再度EAがポジションをとるなど、誤作動の原因ともなりかねません

 

市販のEAは内部のロジックがブラックボックス状態でわからないものも多いため、

100%信頼して任せるのが難しいという側面もあります。

 

このような場合、購入前にロジックの内容まである程度確認しておいたり、

バックテストのビジュアルモードを活用してどのような場所でポジションをとって決済するかを確かめると良いでしょう。

儲からない理由③:証拠金に対してロットが大きすぎる

勝てるEAを購入して動かし続けた場合でも利益が出ないときは、ロット設定に問題があるのかもしれません。

【対策1】 1回の損切りは資金全体の1~5%以内にする

期待値がプラスのトレードでも、

1回の損切りで資金の大半を失うようなロット設定では、長期的に利益を残すのは難しくなります。

 

では、1回あたりにどのくらいのリスクをとってトレードするべきでしょうか?

 

たとえば勝率50%の戦略の場合、

3連敗する確率が12.5%、4連敗が6.25%、5連敗が3.125%となっています。

 

長くトレードを続けていれば、優れたEAであってもこうした連敗に直面することは決して珍しくありません。

 

損小利大タイプのEAでは、勝率は50%を下回ることも少なくないため、より慎重なリスク管理が求められます。

 

一般的に、1回の損切りは資金全体のうちの1〜5%以内に収まるようにロットを設定すべきです。

 

たとえば100万円の証拠金でEAを運用する場合、1回の損切りで失う金額は1〜5万円以内になるようにします。

 

資金が大きいときや、取引頻度が高いとき、複数のEAを組み合わせて使う場合は、より保守的なリスク設定が望ましいです。

【対策2】最大ドローダウンが資金の20~30%以内になるようロットを決める

最大ドローダウンの金額に基づいて稼働停止を判断する場合、

最悪のケースで証拠金のうちのどのくらいを失ってもよいかをあらかじめ決めておくことが肝要です。

 

例えば、バックテストの最大ドローダウンが資金の20%になるようにロットを設定しておけば、

ドローダウンを更新して稼働を停止した場合でも、資金の8割は残しておくことが可能です。

 

最大ドローダウンが資金の半分を超えるようなロット設定でEAを運用した場合、

稼働停止した際に証拠金の大半を失ってしまい、その後の運用に支障をきたします。

 

とりわけ複数のEAを同時に運用する場合には、それぞれのEAが証拠金の大半を失うような大きなリスクをとってトレードしないように注意が必要です。

執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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