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FXの自動売買は本当に勝てる? リアルの自動売買について解説

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自動売買を運用すれば絶対に勝てるわけではない

自動売買だと簡単に儲けられるのでは?と考えている人は多いと思います。最初に結論から入ると、自動売買を運用すれば絶対に勝てるわけではありません

 

その主な理由して

  • ずっと機能し続けるわけではない
  • 全ての自動売買が良質ではない
  • 運用者が相場についての勉強をしない

の3点が挙げられます。

 

一つずつ解説していきます。

ずっと機能し続けるわけではない

自動売買のプログラムは全ての相場状況に対応しているわけではありません。得意な相場があれば、不得意な相場もあります。

 

例えば、自動売買の種類の一つにリピート系自動売買があります。リピート系自動売買とは、設定した値幅(レンジ)の中で売買を繰り返して利益を狙う自動売買です。例えば、上限を100円、下限を90円に設定すれば、レートが100円〜90円で動いているうちは売買を繰り返し利益を積み重ねていきます。

 

その性質上から、一定の値幅で価格が上下するレンジ相場が得意です。一方で、相場が一方向に動いていくトレンド相場は苦手とされています。

 

トレンド相場の時にリピート系自動売買を運用しても、上手に利益を得られないどころか、損失を出してしまう場合もあります。

 

また、自動売買は過去の相場を参考に作られていることがほとんどです。そのため、リーマンショックやコロナショックのような、過去に事例があまりない動きをした場合は対応できずに損失を出してしまう可能性があります。

 

いまは利益を出していても、将来も同じように利益を出し続ける保障がない点は裁量取引も自動売買も同じです。

全ての自動売買が良質ではない

自動売買には何千、何万もの種類があります。その全てが良質というわけではなく、中にはハイリスクな自動売買や詐欺的な自動売買があります。

 

ハイリスクなロジックとしてよくあるのが、ナンピンマーチン系の自動売買です。

 

ナンピンとは相場が逆行して保有しているポジションが含み損になった時に、ポジションを増やして平均取得単価を引き下げる手法です。

マーチンとはマーチンゲール法のことで、負けた場合に次に取引するロットを2倍ずつ増やしていく方法です。

 

イメージとしては「含み損が出たら2倍ずつ逆張りでポジションを増やしていき、相場が反転して利益になるのを待つ」ということです。

 

ナンピンマーチン系の自動売買は損切りをせずに相場が反転するのを待つという性質上、負ける回数が非常に少ないです。

 

そのため、パッと見では勝率が非常に高いのが特徴です。しかし、実際には相場がポジションと反対に動いて含み損を抱えていても損切りをせず、逆張り的にポジションをどんどん増やしていくため、最終的には資金不足で強制ロスカットになり、大きな損失を被ってしまうリスクがあります

 

ナンピンマーチン系のようなリスクの高い自動売買もあれば、販売目的で適当なロジックの自動売買もあるため、自動売買を選ぶ際は注意しないと大きな損失を被ってしまう可能性もあります。

相場についての勉強をしない

自動売買は稼働させておけば後は自動で利益を稼いでくれると思うかもしれません。しかし、それは大きな間違いです。

 

すでに解説したように、自動売買には得意な相場や不得意な相場があります。不得意な相場で運用してしまえば利益にならないどころか、損失を出してしまう可能性もあります。

 

今の相場が運用する自動売買にとって得意なのか、不得意なのかを見抜けるくらいの相場観は養っておきたいところです

 

また、自動売買には詐欺的な自動売買もあります。何千〜何万種類もの自動売買の中から良質な自動売買を選ぶためには、自動売買やFXについてある程度の知識が必要になります。

 

FXや自動売買の知識がないのに全く勉強をしない人は、自動売買を運用しても勝てる可能性は低下します。

初心者は証券会社の提供している自動売買を使うと簡単

FXで自動売買を運用するには、EA(Expert Adviser)を使う方法と、証券会社が提供している自動売買サービスを利用するという2種類の方法が有名です。

 

EAの方が種類が多いですが、稼働させるためにはプログラムを手に入れる必要があり、無料のものもあれば有料のものもあります。

さらに、EAを稼働させるためにはチャートツールのMT4やMT5が必要で、24時間稼働させ続けるためには基本的にVPSを利用します。

 

そのため、プログラムを購入する初期コストやVPSを利用するランニングコストが発生する点はデメリットです。

また、多くの種類の中から、良いEAを見極める必要もあるので、FX初心者には難しい面もあります。

 

手早く自動売買を運用したいのであれば、証券会社が提供している自動売買サービスを活用するのが良いでしょう。

証券会社が提供している自動売買サービスは基本的に無料で利用でき、下手なEAよりも信用度が高いです。

 

もちろん、証券会社が提供している自動売買ツールも絶対に勝てるわけではありませんが、EAと比較すると簡単に始められる点は大きなメリットです。

証券会社が提供している自動売買【おすすめ3選】

ここからは証券会社が提供している自動売買ツールの中からおすすめの自動売買を紹介していきます。

どの自動売買が良いか迷っている人は、ぜひ参考にしてみてください。

トラリピ(マネースクエア)

出典:マネースクエア

 

トラリピとは「トラップリピートイフダン」の略称で、マネースクエアが提供している自動売買サービスです。

 

リピート系自動売買の元祖ともいえる存在で、指定した範囲で価格が動いている限り、自動で売買を繰り返して利益を狙ってくれます。

 

トラリピは運用次第では大きな利益を期待できます。例えば、マネースクエアが公表している「オージーキウイ・ダイヤモンド戦略」における2020年11月26日〜2023年11月24日までの3年間の運用実績では、約160%のパフォーマンスを発揮してい ます。

 

自分でトラリピの運用方法を設定できるだけでなく、ストラテジストが考案したトラリピの売買戦略を使って運用することもできるので、自動売買初心者でも運用しやすいです。

 

みんなのシストレ(みんなのFX)

出典:みんなのFX

 

みんなのシストレはみんなのFXが提供している自動売買サービス。みんなのFXで実際に取引をしているトレーダーの取引をもとにして、24時間自動で売買を行ってくれます。

 

運用方法は簡単で、用意されているストラテジーの中から運用したいものを選択し、取引数量などを設定するだけで取引を開始できます。

 

難しい設定は必要なく、ストラテジーを選ぶだけで運用できるという点がみんなのシストレのメリットです。

 

また、「みんなのリピート注文」ではリピート系の自動売買を運用できるので、リピート系を運用してみたい人のニーズにも応えています。

 

ただし、成績の良いストラテジーだからといって絶対に勝てるわけではない点には注意しましょう。

トライオートFX(インヴァスト証券)

出典:インヴァスト証券

 

トライオートFXはインヴァスト証券が提供する自動売買サービスです(裁量取引も可能)。FXはもちろん、ETFの自動売買も可能です。

 

トライオートFXもリピート系自動売買で、設定した範囲内で価格が推移していれば自動で売買してくれます。

あらかじめ用意されているロジックを選択すれば運用を開始でき、著名ストラテジストや人気ブロガーが考案したロジックも選択可能です。

また、ビルダー機能を使えば自身でロジックを構築することもできます。

 

選ぶだけでなく、自分でロジックを作って運用もできるため、自動売買初心者から上級者まで満足できる自動売買サービスです。

EAを運用する場合のおすすめ証券会社3選

EAを使って自動売買を運用する場合はMT4もしくはMT5が必要ですが、それらを提供している国内のFX会社は数社ほどで、選択肢が少ないというデメリットもあります。

 

ここでは、MT4やMT5を提供しているおすすめの国内のFX会社を紹介していきます。

FXTF

出典:FXTF

 

MT4を提供している国内のFX会社の1社がFXTFです。

 

特徴は主要通貨ペアが業界最狭水準のスプレッドと公表しており、ドル円 

 

ただし、ドル円、ユーロ円、ポンド円、豪ドル円、ユーロドルの5種類の通貨ペアでEAを運用する場合、新規1万通貨の取引あたり20円の取引手数料が発生します。これは新規取引の片道分のみです。

 

例えば、ドル円を1万通貨で10回取引する場合、取引手数料が発生しないFX会社のコストはスプレッド分のみです。

 

一方、FXTFの場合は、スプレッド分に合計200円のコストが上乗せされます。日本人トレーダーに人気の通貨ペアでEAを運用する場合、コストが高くなるというデメリットがあります。

 

なお、5種類の通貨ペア以外は手数料が発生しません。

楽天MT4

出典:楽天証券

 

主に株式投資をする人から支持を集めているネット証券大手の楽天証券のFXサービスではMT4を提供しています。ネームバリューのあるFX会社でMT4用のEAを動かしたい人にとってh、楽天証券は最有力候補になるでしょう

 

楽天証券でEAを動かす場合、取引手数料が発生しません。そのため、取引コストはスプレッド分のみになります。

また、投資情報メディア「トウシル」を運営しており、豊富なマーケット情報を提供していることも魅力です。

 

楽天証券はFX以外に株式や債券も取引できるため、EAの自動売買以外に株式投資やNISAなど多角的に投資を行っていきたいという人にも向いています。

外為ファイネスト

 

出典:外為ファイネスト

 

外為ファイネストは世界各国で金融事業を展開しているHantec Groupの日本法人です 。無認可の海外FX業者とは違い、日本の金融庁に登録しているため、安心して取引が可能です。

 

外為ファイネストの特徴は、MT4だけでなく、MT5も提供していること。EAの中にはMT4だけ、もしくはMT5だけでしか稼働できないものがありますが、外為ファイネストではMT4とMT5の両方を利用できるため、運用したいEAがMT4専用でもMT5専用でも稼働できるメリットがあります。

 

取引手数料は無料で、MT4、MT5を対象にしたキャッシュバックキャンペーンも行われているため、EAを運用したい人にはピッタリのFX会社です。

自動売買で勝率を高めるポイント

自動売買で勝率を高めるための主なポイントについて解説していきます。

 

  • 長期目線で運用する
  • ドローダウンに備えて資金に余裕を持たせる
  • ほったらかしではなく、相場状況や稼働状態を確認する

以上の3点があり、これはFX会社の自動売買サービスだけでなく、EAを運用する際も同じです。

長期目線で運用する

自動売買は設定されたロジックに沿って自動的に売買を繰り返してくれ、誰もが使える便利なサービスですが、1週間や1か月程度の短期間で大きな利益を獲得したい人には向いていません

基本的に1年程度のスパンで利益を狙うものだと理解しておかないと、目先の成績で判断してしまい、何度もロジックの設定をやり直したり、EAを何度も買い替えたりと迷走してしまいます。

 

自動売買は基本的に長期目線で運用していくのが、利益を伸ばしていくために必要なポイントです。

ドローダウンに備えて資金に余裕を持たせる

自動売買は運用している間はずっと勝てるわけではなく、負けて損失を出すときもあります。

損失を出した際の強制ロスカットを防ぐためにも、資金には余裕を持たせておくことが大切です。

 

損失の目安となるのが最大ドローダウンです。ドローダウンとは資産に対して“どのくらいの損失が発生したのか”を示す割合のこと。ドローダウンの中でも一番大きい下落率のものが最大ドローダウンです。

例えば、資金100万円に対して最大ドローダウンが10%なら、一時的に10万円の損失が発生したということです。

 

EAならバックテストで最大ドローダウンを確認し、その数値の2倍ほどの資金を想定している運用資金に足しておくと、強制ロスカットのリスクを比較的軽減した運用ができると思います。

ただし、必ずしもバックテストの結果通りに稼働されるわけではなく、バックテストよりも大きなドローダウンが発生してしまう可能性もあるので注意しましょう。

 

FX会社の自動売買サービスであれば、有効証拠金や必要証拠金などを表示してくれるサービスを提供している場合があります。

例えば、トライオートFXなら「バランスメーター」と呼ばれる機能があり、有効証拠金をうまく使えているかを評価してくれます 。

 

これらも一つの目安になるので、活用していきましょう。

ほったらかしにせずに、相場状況や稼働状態を確認する

自動売買は「ほったらかしでOK」というイメージもありますが、完全放置するのではなく、月ごとや週ごとのスパンで運用状況を確認した方が無難です。

 

相場はずっと現在の状況が続くわけではありません。レンジからトレンドに転換する場合や、上昇トレンドからいきなり下落トレンドに転換することもよくあります。

 

そして、自動売買には得意な相場や不得意な相場があります。得意な相場で運用していて利益を出していても、不得意な相場に転換したら損失を出してしまうケースもあります。

 

そのため、定期的に稼働状態を確認し、相場状況によって設定を調整するか、いったん稼働をオフにして、得意な相場になったら再び稼働をオンにするという方法が有効だと思われます。

 

例えば、リピート系自動売買を運用する場合、設定したレンジの上限もしくは下限を抜けたら設定を変更する、EAの運用では最大ドローダウンを更新したら止めるといった感じで、どのタイミングで設定を調整するのか、または稼働を停止するのかをシミュレーションしておいた方が効果的に自動売買を運用できると思います。

執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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