人気のタグ

FX自動売買を運用する上で勝率はどれくらいが最適か

公開日:

FX自動売買を運用する上で勝率はどれくらいが最適か

プロフィットファクター

前回はEAを運用する上で要になるドローダウンについてお伝えしました。

「FX 自動売買シミュレーションでリスクを最小限に」はこちら

 

今回は勝率を上げるため密接に関わってくるプロフィットファクターについてです。

 

PF○○等と表記される事が多く、EAを稼働させていく上では必須の知識となります。

この機会に覚えておきましょう。




プロフィットファクターとはパフォーマンスを評価するための一つの指標であり、システムトレードの収益性を評価する際に使われています。

 

勝率と損益の両方を内包しているため、売買システムが優良か粗悪かを判断する上で重要な指標になります。

 

プロフィットファクター = 総利益 ÷ 総損失

 

1より大きい場合、EAのシステムが利益をもたらしていることを示します。

(利益が損失を上回っているということ)

 

例えば、総利益が10万円で総損失が5万円の場合

10÷5=2

プロフィットファクターは[2.0]になります。

 

プロフィットファクターは全てのトレードにおける利益が損失に対して何倍かを示しています。

 

プロフィットファクターが1のときには総利益と総損失がイコールとなるので、トレード損益は±0円ということになります。

 

総利益が50万円、総損失が50万円の場合、プロフィットファクターは50万円÷50万円=1です。

 

プロフィットファクターが1.01以上だと、総利益が総損失を上回っておりトレード利益が出ている状態です。

 

一方、プロフィットファクターが1未満だと、総損失が総利益を上回っておりトレード損失が出ている状態ということになります。

理想的なPF値

一般的にPFの数値で期待出来る成果は以下になります。

 

  • PF値        パフォーマンス
  • 2.0〜     非常に高い利益率
  • 1.5〜2.0   高利益率
  • 1.3〜1.5   平均的
  • 1.0〜1.3   損失を出さない程度
  • 1.0以下  損失が見込まれる

基本的にこの数値が高ければ高いほど良いとされていますが、値が高いという事はその分大きなリスクを伴っている可能性もあります。

 

また、特定の条件で利益が出るように売買ルールを調整したカーブフィッティング(過剰最適化)の可能性も考えられます。

 

PF値を上げる為に損切を行わない戦略を取ることもできます。

公開されているデータの値が極端に高い場合は取引データ等を確認する必要があります。

異常に高い数値をしている場合はいずれ破綻する可能性が高いです。

PFが高いほど安定した利益の獲得が見込めますが、高ければ良いというわけでもありません。

 

現実的なプロフィットファクターの目安としてはPF1.3~2が理想とされています。

尚、スキャルピングを行うEAなどの場合はPFが1.2程度でも回数で利益を積み上げていくことがあります。

EAの取引頻度や勝率によってPFを参照するとよいでしょう。

 



SNSで誇大広告されているEAを見かけますが、実際に稼働させると期待していた結果にならないというケースはよく見受けられます。

 

筆者の体感としては長い期間、安定して常に堅調に勝ち続けるEAは1.5〜2前後で推移している事が多いと感じます。

(月によって大きく異なるEAは波が大きい為、話が別)

 

10年、20年と稼働させると利益の出るEAが上記の数値に収束していることからも、誇大広告で見かける数値を見かけると身構えてしまうのが正直なところです。

 

上記ケースが起こりうる要因として、

 

  1. トレード回数が少なすぎる
  2. 特定の相場に過剰最適化されている

といった事が挙げられます。

 

トレード回数が少ないとPFが変動しやすく、手法本来のパフォーマンスを発揮していないことが考えられます。

(または結果的に偶然発揮出来る局面であったか)

 

特定の相場だけに最適化された手法は、その時期は異常に高い成績を示しますが、相場の地合いが少し変わると通用しなくなるでしょう。

 

数値が高い = 勝てるEA

 

というわけではないですし、PF1.5以上ないと駄目というわけでもありません。

 

投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットをご存じでしょうか。

50年以上に渡って投資を続けている投資家で、その生涯利回りは20%と言われています。

 

そういった事を踏まえれば本当に安定してずっと利益を生み出し続けるのであればPFは1.2~1.5でも十分な数値と言えるでしょう。

 

勝率

ここまで利益に関してお伝えしてきましたが、

続いてはトレーダーが避けては通れない勝率に関してです。

 

勝率は、以下の計算式で求められます。

 

勝率 = 勝ちトレード数 ÷ 全トレード数

 

勝率は全トレードにおいて勝ったトレード回数の割合を示します。

例えば100回トレードを行って70勝30敗であれば、勝率は70回÷100回×100=70%

 

勝率が高ければトレードで勝てる可能性が高く、勝率が低ければトレードで勝てる可能性が低いということになります。

 

勝率が50%の場合は、勝ったトレード回数と負けたトレード回数がイコールです。

50%以上であればトレード回数が負けたトレード回数より多く、勝率が50%を下回っていれば勝ったトレード回数が負けたトレード回数より少ないことになります。

 

なお、トレードにおいては勝率が高いほど望ましいように感じるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。

 

仮に勝率が50%を下回っていても、勝ちトレードにおいて大きい利益額を取っていて、

負けトレードにおける損失額が小さければ、全体として利益を上げる(プロフィットファクターを1以上にする)ことができるからです。

採用する手法によってあるべき勝率は変わっていきます。

 

勝率も重要な要素ですが、それだけで手法の良し悪しは判断することはできません。

勝率を重視し過ぎる事もまた問題になってきます。

 

というのもこれはトレードロジックにより良し悪しが変ってくる問題です。

トレードが損小利大のスタイルなのか、または損大利小スタイルなのかで異なります。

 

例えば5回の取引で1回の損失が20万円と仮定し、4回負けても1回の利益が100万円ならば+20万円で利益が出ています。

この時の勝率は20%であり、トータルで見た場合に勝てるEAとなるわけです。

 

これらプロフィットファクター、勝率、そして前回の記事でお伝えしたドローダウンといったを踏まえてから初めてフォワードテストへ移行して良いでしょう。

 

次回は実際に資金を入れて稼働させるまでの過程について解説していきたいと思います。

執筆者紹介

投資家

369(みろく)

投資歴9年(為替・株・商品先物) フィボナッチを活用したトレード手法に長けており、ハーモニックパターンを用いた分析を得意とする。 投資後進国の日本、健全な資産運用をしていただくためにトレードのプロとしてサポート。ナレッジの少ないハーモニックパターンを扱うトレーダーとして国内で普及させる事が目標。
投資歴9年(為替・株・商品先物) フィボナッチを活用したトレード手法に長けており、ハーモニックパターンを用いた分析を得意とする。 投資後進国の日本、健全な資産運用をしていただくためにトレードのプロとしてサポート。ナレッジの少ないハーモニックパターンを扱うトレーダーとして国内で普及させる事が目標。

注意・免責事項

  • ・記載の内容は個人の見解に基づくものであり、実際の投資にあたっては、お客様ご自身の責任と判断においてお願いいたします。
  • ・本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。
  • ・また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。
  • ・なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
  • ・各レポートに記載の内容は、GMOインターネット株式会社の事前の同意なく、全体または一部を複製、配布を行わないようお願いいたします。

OTHERその他の記事

バナー画像