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自動売買の選択に大きな影響を与えるMT4のスプレッド

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スプレッドとは

買値と売値の価格差のことで、FX取引では実質的な取引手数料にあたります。

 

株式の取引は、証券取引所を経由する投資家同士の取引であり、証券会社が取引を仲介しています。

一方でFXは、個人投資家とFX会社との取引です。基本的にFX会社はいったん投資家から注文を受けますが、すぐに銀行等との取引を行うことで決済が行われています。

 

これらから株式とFXの取引手数料について、簡単なイメージは下記となります。

 

  • 株式 → 投資家間の取引であり、手数料は売買価格とは別に証券会社が投資家から請求
  • FX → 投資家とFX会社の取引であり、売買価格に手数料を入れてFX会社が投資家から請求

 

FXの手数料がゼロなら、為替レートの「買い」と「売り」は等しくなります。

しかし、FXにはスプレッドが存在するため、「買い」と「売り」の価格は異なります。

よって、各通貨ペアの「買い」と「売り」の価格の差分であるスプレッドが、FXでは実質的な手数料となっているのです。

早朝はスプレッドが広いFX会社がほとんど

日本時間の早朝の金融市場は、ほとんどの参加者が取引を休んでいる時間帯です。

よって為替市場も取引量が少なく、各通貨ペアの値動きは停滞しています。

 

取引量の少ない日本時間の早朝に、FX会社が顧客から多くの注文を受けると、取引が少ない中でFX会社と銀行等との取引が成立せず、FX会社が為替変動リスクを長時間負う可能性が生じます。

 

このため、日本時間の早朝はほとんどのFX会社がスプレッドを広げています。

顧客側の投資家はその時間帯に取引すると取引コストが余計にかかってしまう点に注意が必要です。

FXにおけるスプレッドは取引コスト

スプレッドはFXにおける取引コストです。

スプレッドの性格や特徴としては以下の2点があげられます。

  • 取引が多くなるほどコストがかさむ
  • 通貨ペアによりスプレッドは異なる

取引が多くなるほどコストがかさむ

スプレッドがあることによって、投資家は実質的にFX会社に対し取引手数料を支払っていることになります。

スプレッドは新規取引の都度発生するため、取引回数が増えるに従いコストが積み上がります。

このため、スキャルピングなど1日に何回も取引を繰り返す手法ほど、スプレッドの影響が大きくなっていきます。

通貨ペアによりスプレッドは異なる

一般的に、人気商品は業者間の競争も激しいため手数料は低く抑えられます。

一方、人気薄の商品は競争が少ない反面、手数料が高くなります。

FXも同様で、国内で最も取引される米ドル/円や世界最大の取引量のユーロ/米ドルのスプレッドは狭く、それほど取引が行われない通貨ペアのスプレッドは広い傾向にあります。

MT4の主要通貨ペアスプレッド

国内でMT4が利用できる代表的な3社のMT4スプレッドです。

 

  • ゴールデンウェイ・ジャパン/FXTF MT4
  • 楽天証券/楽天MT4
  • 外為ファイネスト/MT4・ZERO
 ゴールデンウェイ・ジャパン
FXTF MT4
楽天証券
楽天MT4
外為ファイネスト
MT4・ZERO
ドル/円0.2銭0.5銭0.7銭
ユーロ/円0.4銭1.1銭1.0銭
ポンド/円0.6銭2.0銭1.5銭
豪ドル/円0.5銭1.2銭0.9銭
ユーロ/ドル0.3pips0.6pips0.6pips
ポンド/ドル0.7pips1.2pips1.2pips

※FXTF MT4は2024年3月13日15時台のリアルタイムレート/楽天MT4は原則固定・例外あり/MT4・ZEROは変動制、2024年3月13日15時台のリアルタイムレート

 

FXTF MT4がずば抜けており裁量取引用サービスが提示しているスプレッドと遜色ありません。

楽天MT4やMT4・ZEROの方がMT4の平均的なスプレッドといえます。

また、基本的にスプレッドが固定されているところや、常に変動しているところなど、各社でスプレッドの提示方法が異なっています。

口座開設を検討する際はそのことにも注意を払うとよいでしょう。

PC版MT4でスプレッドを確認する方法

PC版のMT4では簡単にスプレッドを確認できます。

「気配値表示」部分にスプレッドの表示が可能ですが、デフォルトの設定では非表示となっています。

 

「気配値表示」にスプレッドを表示させるには、「気配値」の上で右クリックを行います。

そして現れるタブの中から「スプレッド」を選択します。

 

 

「気配値表示」の一番右に各通貨ペアのスプレッドが表示されるようになり、簡単に確認できる状態になります。

 

 

なお、スプレッドの表記ですが、1ポイント=0.1銭・0.1pipsです。

この画像では、ドル/円は2ポイントと表示されているので0.2銭ということになります。

スマホ版MT4でスプレッドを確認する方法

スマホアプリのMT4でも、スプレッドを簡単に確認する方法があります。

 

スマホ版MT4に最初にログインすると、各通貨ペアのレートは「シンプルモード」で表示されています。

シンプルモードではスプレッドの確認ができません。スプレッドの確認を行う際は「詳細モード」を選択する必要があります。

 

 

「詳細モード」にすると、各通貨ペアの名称の下部分にスプレッドが表示されるようになります。

 

 

この設定にしておけばスマホでもMT4のスプレッドをすぐに確認できるようになります。

MT4にはスプレッド拡大時の取引回避機能を持つEAもある

MT4を外部サーバーなどに設置すると、EAの24時間稼働が可能です。

ただしEAを24時間稼働させると、スプレッドの急拡大時に不利なレートで約定するケースもあります。

 

しかしEAの中には、スプレッドが広がった時に取引を制限する許容スプレッド機能(スプレッドフィルタとも呼ばれます)が搭載されているものもあります。

またスリッページについては、MT4自体にスリッページの許容幅を設定できる機能が搭載されています。

 

これらの機能を活用することで、スプレッドの急拡大や過度なスリッページのリスクを避けてEAの運用が可能です。

執筆者紹介

FX情報誌『外国為替』編集長

鹿内 武蔵

FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役
FX情報誌『外国為替』編集長 投資専門ライター&編集者集団、株式会社tcl代表取締役

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