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FXだけで生活するために必要な資金額

公開日:

「資産運用の収入だけで生活したい」

 

これはFXやその他トレードを真剣に行っている方の多くが掲げる目標ではないでしょうか。

しかし、お金やトレードについて知れば知るほど「資産運用だけで生活するには大量の資金が必要なのでは?」→「自分には無理だ」と諦める方向に考えが傾いていってしまう方も少なくないようです。

 

資産運用の利益のみを収入として生活することは、本当に「潤沢な資金や才能をもともと備えている者しかできないような難しいこと」なのでしょうか。

 

答えはNOです。

 

もちろんどの程度の生活を望むのか、どれほどの資金があるのかなど個々の価値観で難易度は変わりますが、絶対にできないということはありません。

 

今回は自分の生活に必要な金額を洗い出し、実際に資産運用のみで生活するために必要な運用資金について考えてみましょう。

具体的な数値で生活費を試算する

運用の利益で生活を賄うのですから、まずは自身の生活費を算出するところから始めなければなりません。

 

すでにしっかり把握できている方もいらっしゃるかもしれませんが、たくさんの方にお話を伺っていると、きちんとしているようで細かい部分はどんぶり勘定であったり、それどころか口座から引き落とされるがままに生活していて生活費の内訳をまったく把握していなかったりという方も意外と多いものです。

 

生活費を算出するうえで前提となるのは、家計管理ができていることです。

 

そこで、まずは家賃、光熱費、食費、交通費、通信費、その他雑費などをリスト化して、1ヵ月分の正確な生活費を算出してみましょう。

 

1ヶ月分の生活費を算出できたら、次は年間の生活費を算出します。

 

「1ヶ月分×12ヶ月分が1年分になるのでは?」という声も聞こえてきそうですが、実はそう単純なものでもありません。

 

例えば光熱費。これは季節によって大きく変動します。暑くなったり寒くなったりしてエアコンの使用頻度が変われば、当然光熱費は上昇しますよね。

 

また、毎月では無いけれど年に数回ある出費も把握しておく必要があります。例えば車をお持ちの方なら車検代、お子様が塾などに通っている方であれば補講や合宿代、動物と暮らしている方であれば定期的な検診代などが考えられます。

 

さらに、上記のようなものであればある程度予測できますが、急病や天災によるものなど予測しにくいイレギュラーな出費にも備える必要があります。これらを加味したうえで、「無理のない年間生活費」をまとめてみましょう。

 

さて、ここからが重要なのですが、年間の生活コストを把握するのはただ生活に必要な資金額を算出するためだけではありません。

 

トレードは「毎月必ずプラス収益になる」とは限りません。

 

もちろん年間を通すとプラスになる想定で運用を行っていますが、私は、常に「マイナスを出した時」を想定しておくことが安定した運用に繋がると考えています。

 

月単位でマイナスになる場合をまったく想定せず、月毎の収支のみに目を向けるような運用を行っていた方がマイナスに直面した時どうなると思いますか?

 

おそらくその月の収支をなんとかしてプラスにしようと焦り、予定外のトレードや無駄にリスクを取ったトレードをしてしまうのではないでしょうか。

 

焦りによるトレードは絶対に良い結果を生み出しません。プラスどころか、より大きな損失を出してしまう可能性さえあります。

 

専業トレーダーとして生活するうえで、メンタルを安定させることはとても重要です。安定したメンタルこそが安定したトレードに直結するためです。

 

  • トレードでの収入は月により変動する不安定なものである
  • 長期目線での運用においてはマイナスになる月も発生する
  • 月単位ではなく年単位での収支をプラスにすることを目標にする

 

この3点を頭に入れ、ネガティブな可能性についても感情で怯えるのではなく、リスクをデータとして把握したうえで備えること。これこそが精神的な安定を得るコツです。

生活費から必要な運用資金を算出する

さて、前項で年間生活費が算出できたので、次はこれをもとに運用資金を算出してみます。

 

FXトレードのみで生活したい場合、最低でも「3年分の生活費」を運用資金とすることを推奨します。これを年利に換算すると34%

つまり元本を毎年1.34倍にしていかなくてはなりません。

 

具体的な数字をあげて解説しましょう。

 

仮に年間の生活費に300万円必要な方の場合、運用資金はその3年分=900万円です。

 

900万円を運用資金として年利34%(月利2.83%)で運用すると、その収益額は306万円。年間の生活費306万円をギリギリ確保できるように思えますが、この計算にはまだ税金分が加味されていません。

 

改めて支払うべき税金(約20%)を含めて計算しなおすと、

306万円 × 80% =244万8000円。手取りは約245万円になってしまいます。

 

手取りを増やしたければ、年利の想定数値を上げていく必要が出てきます。

 

例えば先程想定した年利34%(月利2.83%)を、年利42%(月利3.75%)にUPしたと仮定して運用すると、税金分を差し引いた手取り額は約302万円。

これで生活費300万円をやっと確保できる計算です。

 

しかし、年利42%といった高年利を長年にわたって出し続けるのは、ほぼ不可能といっても過言ではない至難の業です。世界一の投資家と名高いウォーレン・バフェットは50年もの間、年間平均リターン年利20%〜を継続していますが、彼でさえ20%という数字であることを考えると、そのハードルの高さがリアルに感じられるのではないでしょうか。

資産運用のみで生活するための近道とは?

ここまでの話だと、「結局トレードのみで生活するのは不可能なのでは?」と感じられることと思います。

 

そこで私がお勧めしたいのが、「FXの利益で比較的安定した資産を購入し、低リスクで運用する」という2段階に分けて資産を運用していく方法です。実はこの方法は、私自身が投資やトレード初心者の頃から一貫してきた資産運用方法でもあります。

 

FXは、超長期間の年利20%は難しくとも、1年で1000%(元本10倍)を目指せるポテンシャルがある世界です。相場には波があるので、短期的に得意な相場と合致した際にリスクを大きく取ってレバレッジをかけ、大きな利益を短期間で達成する事も可能です。

 

これにより達成した利益をリスクの低いFX以外の資産運用資金に回すことで、FXトレードを行いながらリスクの低い資産からの配当金を得ることもできるというわけです。

 

資産運用の世界で有名な「4%ルール」という言葉は、「年間生活費の25倍を運用資産にすることで取り崩しても元本がなくなり辛い性質を持っている」というものです。

 

資産運用のみで生活することを目標とするのであれば、FXだけをその収入源とするのではなく、
【FXで短期的に大きな利益をあげ、4%ルールに達成する生活費を蓄財して生活していく】こと。

 

これがいちばん安全で、無理なトレードを行う必要も無くなる最大の近道なのではないかと考えます。

執筆者紹介

トレーダー

FIRE TRADER® コウスケ

世界トレードコンテストWTC (ロビンスカップ)2022第1位/2019第2位/2017-2018第3位
世界トレードコンテストWTC (ロビンスカップ)2022第1位/2019第2位/2017-2018第3位

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