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AMSER開発者林貴晴氏が教える|第8話:CHAT-GPTとメタトレーダー

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概要

CHAT-GPT 4oは、OpenAIが開発した大規模な言語モデルAIです。

事前学習済みのGPT-3.5モデルを基に、さらに対話形式のデータで学習を重ねた新しいシステムです。

 

GPT(Generative Pre-trained Transformer)は、大量の文章データから自然言語の文脈を学習した言語モデルです。

従来の言語モデルよりも格段に大規模なニューラルネットワークを使うことで、より高度な言語理解と生成が可能になりました。

 

このモデルの基盤であるトランスフォーマーアーキテクチャは、ディープラーニングの一種であり、膨大なデータセットを通じて高度な言語理解と生成能力を実現しています。

これにより、金融市場の分析、戦略提案、情報提供など、さまざまな分野での応用が可能となっています。

MetaTrader 4(MT4)、MetaTrader 5(MT5)
EA開発への活用

ロジックの紹介

CHAT-GPTEAロジックのアイデアを提供してもらうことができます。

単に「ロジックを提案してほしい」と依頼した場合、CHAT-GPTは基本的な戦略やテクニカル指標の組み合わせ程度しか提案できません。

例えば、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロス、トレンドフォロー手法、オシレーターの利用などの一般的な内容になります。

 

しかし、CHAT-GPTに対して具体的な質問を重ね、詳細を詳しく説明していけば、実用的なロジックの提案が得られる可能性が高まります。

CHAT-GPTの回答を受けて補足質問をし、目的やニーズをブラッシュアップさせていくことで、提案内容を洗練させていくことができます。

プログラムコードの作成

CHAT-GPTMQL4MQL5のコードを作成してくれますが、ほとんどの場合エラーが含まれており、修正を必要とします。

CHAT-GPTは強力な言語モデルで幅広い知識を持っていますが、特定のプログラミング言語やプラットフォームの詳細な仕様については完全に把握できていないのが現状です。

そのため、CHAT-GPTが生成したMQL4MQL5のコードには、存在しない列挙型や関数を使っている、宣言されていない変数や関数を参照している、ロジックに矛盾や無駄がある、コーディングスタイルが適切でないなどの間違いが頻繁に見られます。

プログラムコードのデバッグ

プログラムの開発時には、必ずバグの修正(デバッグ)が必要になります。

その際、CHAT-GPTを活用してデバッグを効率的に行えます。ソースコードとコンパイル時、バックテスト時、運用時に発生したエラーメッセージをCHAT-GPTに提示すると、バグの原因を特定し、修正案を提案してくれます。

 

CHAT-GPTはバグの原因特定能力に優れており、リファレンスを読むよりも素早く原因を突き止められる場合があります。

しかし、CHAT-GPTが提案する修正コード自体にバグが含まれていることが少なくありません。

そのため、デバッグ作業中にかえってバグが増えてしまう恐れがあります。こうした事態を避けるため、現時点では、CHAT-GPTを原因の特定に活用し、実際のコードの修正は人間の手で行うのが賢明です。

 

学習データのタイムラグ

CHAT-GPTの知識は2023年時点のものにとどまっているため、その後の最新情報やデータについては対応できない点に注意が必要です。

現在のFX市場の状況や最新の経済ニュースなどの最新情報に基づいた助言や解析はできません。

 

この制約を踏まえると、CHAT-GPTを活用する際は、過去のデータや一般的な知識に基づいたアドバイスや情報提供が主な目的になります。

例えば、テクニカル分析の考え方、指標の解説、EAの設計アイデアなどが該当します。

 

一方で、リアルタイムのマーケット動向や重要ニュースを踏まえた具体的な売買判断支援については、CHAT-GPTだけでは不十分です。

最新のFXデータやニュース情報を他のリアルタイム情報源から入手し、それらを人間が主体的に判断することが不可欠となります。

Data Analyst

CHAT-GPTには、Data Analystという機能が備わっています。

これはデータ分析を行うAIで、ユーザーが提供したデータセットを分析し、様々な観点から洞察を提供してくれます。

 

Data Analystの強みは、自然言語でのインタラクションが可能な点にあります。

ユーザーは質問形式でデータの分析を求めることができ、AIが適切な解析手法を選んで分析結果を自然文で返してくれます。

 

しかし、扱えるデータ量には制限があり、FX取引における大規模なヒストリカルデータは、サイズオーバーとなります。

Data Analystは中小規模のデータセットが対象であり、FXの長期間のデータを全て投入するには向いていないのが実情です。

 

FXトレーダーがData Analystを活用する場合は、1時間足や日足の使用、もしくは限定的な期間に絞ったデータなど、ある程度データ量を絞り込む必要があります。

そうすれば、ロジックの効果分析やボラティリティの検証、コア時間帯の収益率比較などに利用可能です。

まとめ

CHAT-GPTは、FXトレーディングにおいて多くの可能性を秘めていますが、その一方で、いくつかの制約もあります。

CHAT-GPTを適切に活用するためには、これらの長所と短所を十分に理解しておく必要があります。

 

CHAT-GPTの最大の利点は、自然言語処理による双方向のコミュニケーションが可能な点にあります。

トレーダーは口語体で質問をすれば、CHAT-GPTが適切な回答を自然文で返してくれます。

このインタラクティブな対話形式は、アイデア出しや知識習得、分析作業などを効率化するでしょう。

 

しかし、CHAT-GPTには過去のデータしか学習されていないため、リアルタイムの最新情報を扱うことはできません。

そのため、CHAT-GPTを活用する際は、一般論や過去データに基づく内容に限定されます。

具体的な売買判断支援などは別のリアルタイム情報源を用いる必要があります。

 

また、CHAT-GPTが生成したコードには間違いが含まれます。

コードに関してはCHAT-GPTの提案は参考程度に留め、しっかりと検証を行うことが必要です。

 

このように、CHAT-GPTには長所と短所の両面がありますが、その特性を理解した上で適切に活用すれば、FXトレーディングや自動売買ソフトの開発の効率化と高度化に大きく寄与できるはずです。

執筆者紹介

AMSER株式会社 代表取締役

林 貴晴

S&P500上場IQVIAやFTSE100上場のGSKなど、外資系製薬会社で活動後 投資系企業の株式会社ゴゴジャンで自動売買ソフトの開発能力とマーケティング手腕を評価され部長に抜擢、 その後複数社で役員を兼務
S&P500上場IQVIAやFTSE100上場のGSKなど、外資系製薬会社で活動後 投資系企業の株式会社ゴゴジャンで自動売買ソフトの開発能力とマーケティング手腕を評価され部長に抜擢、 その後複数社で役員を兼務

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