MT4で証券会社とインターバンクの相性を調べる方法
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MT4という取引システム自体は、どの証券会社からダウンロードしてもその機能は同等です。
しかし、FX取引の注文を通す証券会社によっては、
取引の優位性が低下する=思い通りの取引ができない事態も考えられます。
この状況を引き起こす原因のひとつとして考えられるのが、
スプレッド(取引手数料)とスリッページ(約定力)。
MT4を使って取引を行う際に気をつけたい箇所は色々とありますが、
なかでもこの2つは取引を行ううえでまず確認していただきたいポイントです。
証券会社にも、通貨ペアの得手・不得手があります。
具体的に言うと、通貨ペアによってインターバンクへの発注に遅延が発生することがあります。
特にFX自動売買においてはシステムが自動的に取引を行うため、
トレーダー自身が取引の瞬間を目視しておらず、その違和感に気づきにくい傾向にあります。
その逆で、遅延が発生しやすい状況の中、遅延を発生させず注文が約定していることもあります。
この場合、その証券会社のインターバンクとの相性は高評価だと言えるでしょう。
自身が使用している証券会社とインターバンクの相性は本当に最良の組み合わせなのでしょうか。
これを定期的に検証することは、常に最高の環境でのトレードを実現することにも繋がります。
本記事では、インターバンク、そしてスプレッドとスリッページについて知っていただき、
それをふまえて自身が口座を持つ証券会社とインターバンクの相性をMT4を使って調べる方法をご紹介したいと思います。
インターバンクとは
インターバンクとは、銀行や証券会社、ファンドなどの金融機関だけが取引に参加する市場を指します。
インターバンクでの取引は主に短期間の資金調達や運用に利用されているため、
ここでの資金の動きが外国為替市場のレートに影響を及ぼします。
ちなみに外国為替市場とは、通貨の売買が行われる市場のことです。
この市場の参加者が通貨を購入または売却することで、
国内通貨と外貨の交換レートや、需要と供給に基づいた通貨レートが形成されます。
インターバンク市場と外国為替市場は相互に影響しあいます。
スプレッドとは
スプレッドとは、端的に言うとFX取引における手数料(取引コスト)。
つまり取引の実質的な手数料に相当するのが「スプレッド」です。
スプレッドは売値(Bid)と買値(Ask)の価格差で決まり、
その値が大きい(スプレッドが広い)とコストが嵩むため、トレーダーにとって不利な環境となってしまいます。
取引手数料を固定化した「固定スプレッド」もありますが、
固定スプレッドであっても日本時間の早朝時間帯や経済指標発表前後などはレートが大きく変動し、スプレッドが開いた状態となってしまいます。
スリッページとは
為替相場は常に動いているため、
注文を指定した瞬間のレートと、実際に約定するレートとのタイムラグにより価格の乖離が生じることがあります。
これをスリッページといいます。
約定するまでの取引の流れに沿って説明すると、
まずトレーダーが注文を指定した瞬間からFX業者(証券会社)にそれが届くまで、
さらにFX業者(証券会社)からインターバンク市場に届くまでの間にレートが変化した場合、注文時との価格の剥離=スリッページが発生します。
例えばスプレッドやスリッページの影響により想定していた約定価格から1pipsの差異が発生したとしましょう。
この場合、100万通貨の取引を行っていれば、1万円の損失につながります。
為替相場が大きく変動することが予想される時(経済指標の発表前後や要人発言など)には、特に注意が必要です。
検証方法
MT4と証券会社の相性の判断基準として、私は自身の使用するMT4を通して実際に証券会社への発注を行い、
スプレッドとスリッページの乖離具合から相性の良し悪しを評価しています。
以下、具体的な検証方法です。
(1)リアル口座に少額入金する
MT4で利用できる口座は、デモ口座(実際に取引を行わない練習用口座)とリアル口座(実際に取引を行う際に使用する口座)の2つに分かれています。
検証の際には、リアル口座に相性を検証したい証券会社の最小取引額を入金します。
(2)検証用の注文を発注する
雇用統計やFOMCなどの経済指標発表直前(大きなイベント前)を狙って、
現在レートから10pips程離したレートに0.01Lot(最小取引量)の買い逆指値注文と売り逆指値注文を入れます。
(3)取引結果から検証する
注文が約定されたら、指定した買い逆指値注文と売り逆指値注文と価格を口座履歴から確認します。
指定した価格と実際に約定した価格の乖離が小さいほど評価が高く、大きいほどスプレッド(取引手数料)が開きやすく、
スリッページ(約定力)が発生しやすい証券会社であると評価できます。
一般的に、スプレッド(取引手数料)は狭く、スリッページ(約定力)は高い方が、
取引コストを抑えた理想通りのレートで約定できるため、最終的なトレード結果は良くなる傾向にあります。
特に早朝にトレードを行う自動売買プログラムや、指標発表時間直前に取引をする自動売買プログラムに関しては、
このスプレッド(取引手数料)とスリッページ(約定力)の品質によって結果に大きく影響を及ぼすため、
事前に少額での運用を行い、スプレッドやスリッページの乖離がないかを入念に検証する必要があるのです。
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