MT4を利用した自動売買と、各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買の違い
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- 1. MT4とは
- 2. MT4を使用した自動売買のメリット
- - メリットその1豊富な種類の中から自分にあったEAを選べる
- - メリットその2使用したいEAのバックテストが可能
- - メリットその3自身の考える自動売買を開発できる
- - メリットその4任意の時間足を選択し自動売買を行える
- 3. MT4を使用した自動売買のデメリット
- - デメリットその1MT4を24時間稼働できるVPS環境が必要
- - デメリットその2運用までの設定が若干複雑
- 4. 国内でMT4が利用可能な主要証券会社
- - オアンダ証券(OANDA JAPAN)
- - 外為ファイネスト
- - ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF)
- - JFX
- 5. 各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買のメリット
- - メリットその1運用までの手順が簡単
- - メリットその2初心者でも自動売買プログラムが選びやすい
- - メリットその3証券会社によってはスマホ画面でも操作可能
- 6. 各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買のデメリット
- - デメリットその1運用コストが比較的高い
- - デメリットその2最低入金金額を指定している会社もある
- - デメリットその3MT4のEAに比べて自動売買プログラムの種類が少ない
- 7. 国内で独自の取引システムを提供している主要証券会社
- - トレイダーズ証券▶ みんなのシストレ
- - 松井証券▶ 100円からの自動売買
- - 外為オンライン▶ iサイクル2取引
- - インヴァスト証券▶ トライオートFX
- 8. 個人的なおすすめはどっち?
FXの自動売買(システムトレード)を行う手法は、大きく2つの種類に分けられます。
ひとつは各証券会社が独自で提供しているプラットフォーム内の自動売買プログラム(取引システム)を使用して運用する方法、
そしてもうひとつはMT4を使用して自身が選んだEA(Expert Adviser) = 自動売買プログラムで運用する方法です。
どちらにもメリット・デメリットがありますが、
今回はMT4を使用した自動売買とMT4を使わず各証券会社の独自システムを使用して行う自動売買、
それぞれの特徴と違いについて解説します。
MT4とは
まずはFXを始めたばかりの方向けに「MT4とは何か」を説明しましょう。
MT4とは、簡単に言うと取引を簡単に行うためのアプリケーションです。
自身の見ているチャート画面上に分かりやすくラインを引いたり
現在のチャート形状を確認したりといったチャートのテクニカル分析を行うために使う方もいますし、
ツール開発を行う際のEA開発用エディタとして使用したり、
自身の感覚で取引を行う裁量取引の補助ツールとして使用したりと、
その利用方法は人によってさまざまです。。
自動売買以外にも多岐にわたって便利に使えるうえ、
そのほとんどが無料でインストールできるため、多くのトレーダーが利用しています。
使用方法ですが、基本的にMT4を使用した自動売買を行う際は、
自身のスタイルに合うEA(Expert Adviser) = 自動売買プログラムをMT4に読み込んで行います。
※ちなみにMT4はスマートフォンにインストールすることも可能ですが、
多くの場合スマートフォンでは自動売買ツールとしての使用ができません。
そのため、本記事ではPCでの利用を前提として話を進めます。
MT4を使用した自動売買のメリット
メリットその1
豊富な種類の中から自分にあったEAを選べる
MT4の開発は世界中で行われており、多くのトレーダーが自ら開発したEAの配布や販売を行っています。
そして前述した通り、MT4はそのほとんどを無料でインストールできます。
さまざまなロジックに基づき制作されたインジケータをいろいろ試して、
自分にいちばん合ったMT4を探してみるのも良いでしょう。
メリットその2
使用したいEAのバックテストが可能
気になるEAが見つかったら、そのEAが信頼できるものかどうかを事前に確認するためのバックテストを行いましょう。
バックテストとは過去のチャートでEAの動きを検証する作業のことです。
「EAの検証方法を解説(バックテスト編)」はこちら
これを行うことで、そのEAの過去の実績=信頼性を確認することができるため、
安心して稼働させることができるというわけです。
バックテストの実施は各証券会社が独自で提供しているプラットフォーム内の自動売買プログラムには行えないため、
信頼性を確認したうえで運用を行えるのは、MT4を使用した自動売買ならではのメリットと言えるでしょう。
メリットその3
自身の考える自動売買を開発できる
EAの使用に慣れてきて自身の優位性あるロジックがはっきりと見つかった方には、自身でEAを開発することもお勧めしたいです。
自身でのEA開発と聞くと難しく感じるかもしれませんが、
MT4に付属しているメタエディタというツールを使用すれば比較的簡単に作成が可能です。
自身でのEA開発は自らのロジックを見直す良い機会となりますし、これを繰り返すことで新しいロジックのアイデアも浮かびます。
トレーダーとして成長するステップのひとつとして、トライしてみてはいかがでしょうか。
メリットその4
任意の時間足を選択し自動売買を行える
各証券会社が独自で提供しているプラットフォーム内の自動売買プログラムの場合、
稼働させられる時間足が指定されている場合がほとんどですが、
MT4を使用した自動売買であれば、任意の時間足を選択して自動売買を行えます。
同じロジックであっても、
例えば5分足と15分足で稼働させた場合にその結果が異なることはよくあります。
こういった場合に、取引回数を増加させたり逆に回数を減らせたりと、
より良い時間足で稼働させることができるのは、MT4を使用する大きなメリットです。
MT4を使用した自動売買のデメリット
デメリットその1
MT4を24時間稼働できるVPS環境が必要
各証券会社が独自で提供しているプラットフォーム内で自動売買を行う場合は、
証券会社のサーバ内で運用を行えますが、
MT4での自動売買を行う際は自らアプリケーションを立ち上げてEAを選択し、自身が管理するPC内で稼働させる必要があります。
つまり常にMT4を起動させておくことができるVPS環境を用意しなくてはなりません。VPS環境を使用するメリットやデメリットについては以下の記事を参照してください。
「VPSを使用するメリットとデメリット」はこちら
デメリットその2
運用までの設定が若干複雑
MT4を通した自動売買では選定したEAをMT4に取り込み、
チャートにセットしてからバックテストを行い、その後稼働するという手順を踏む必要があるため、
多少運用までの手順を煩雑に感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、もしPCを買い換えた際には、再度MT4をインストールしなおしたり、
EAのファイルを古いPCから移動する必要が出てこともデメリットと言えるでしょう。
しかし、それらのデメリットをおいても、MT4を使用した自動売買には前述した通りさまざまなメリットがあります。
国内でMT4が利用可能な主要証券会社
オアンダ証券(OANDA JAPAN)
オアンダユーザーのみが利用できるオアンダFXラボが人気。各種テクニカル指標の学習にも役立てられます。
スプレッドもUSD/JPY 0.3銭の原則固定で有利なトレードが可能です。
外為ファイネスト
1000通貨から取引可能で初期証拠金5000円程度から取引を始められます。
対応通貨ペア数も29ペアとさまざまな通貨ペアで取引可能。
国内では、私もメインで使用している証券会社です。
ゴールデンウェイ・ジャパン(FXTF)
スプレッドもがUSD/JPY 0.2銭固定と圧倒的な手数料の安さが魅力。
暗号資産の取り扱いもあり、幅広い取引を行えます。
JFX
もともとMT4を提供していなかったJFX株式会社ですが、2018年頃からサービスを開始しました。
名物社長である小林芳彦のマーケットナビが人気です。
※分析のみ対応している会社のため、実際に発注を行う際はJFX社のMATRIX TRADERを使います。
各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買のメリット
少数ではありますが、証券会社によっては独自の自動売買システムを導入している会社もあります。
MT4を使用せず自動売買を行いたい場合は、自身が口座を開設している証券会社が提供する自動売買システムをPCまたはスマートフォンにインストールして運用を行います。
以下では、各証券会社独自のシステムを使用して自動売買を行うことのメリット・デメリットについて解説します。
メリットその1
運用までの手順が簡単
証券会社が提供している自動売買システムプログラムを使用する場合、
あらかじめ準備された複数のプログラムから使用したいものを選択して運用するだけですので、運用までの手順が簡単。
また、操作画面もシンプルで分かりやすいものが多いため、初心者でも簡単な自動売買が可能です。
メリットその2
初心者でも自動売買プログラムが選びやすい
証券会社が用意する自動売買プログラム=トレードロジックは常に新しいものが更新されています。
証券会社によっては自社サイト内でランキング化し、すぐにインストールできる形が整っているため、
自身が気になるプログラムを選びやすいのがメリットです。
メリットその3
証券会社によってはスマホ画面でも操作可能
MT4を使用した自動売買では基本的にスマートフォンでの自動売買が難しいとお伝えしましたが、
証券会社の独自システムの場合、会社によってはスマートフォンでの自動売買が可能です。
これはMT4を使用した自動売買ではできないことなので、証券会社のシステムを使用する大きなメリットだと言えるでしょう。
各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買のデメリット
デメリットその1
運用コストが比較的高い
ここではスプレッドやスプレッドから生じる手数料を総じて「運用コスト」と呼びますが、
証券会社のシステムを使用する場合、この運用コストが比較的高くなる傾向にあります。
さらに、
証券会社ではシステム利用料も手数料に含まれているケースが多いため、
これもMT4を使用した自動売買よりもコストが掛かる一因なのかもしれません。
デメリットその2
最低入金金額を指定している会社もある
証券会社が自動売買システムを使用する前提条件として「10万円以上を入金した利用者のみ」などの最低入金額を指定している場合、
少額の運用資金から取引を行おうとしている方では利用できないことも考えられます。
MT4での運用については各社が比較的最小量を少額に設定しているケースが多いため、
これは証券会社のシステムを利用するうえでのデメリットだと考えます。
デメリットその3
MT4のEAに比べて自動売買プログラムの種類が少ない
MT4のEA開発は世界各国で数多く行われており種類も大変豊富ですが、
証券会社の自動売買プログラムは基本的に各証券会社が用意するものですので、どうしてもMT4のEAに比べると種類の数は劣ります。
国内で独自の取引システムを提供している主要証券会社
トレイダーズ証券▶ みんなのシストレ
「みんなのシストレ」は、同社が展開する「みんなのFX」で実際に取引を行っているトレーダーの取引をもとに、
自動売買を行うサービスです。最低証拠金5000円からの取引が可能なので、少額から気軽に自動売買を始められます。
松井証券▶ 100円からの自動売買
松井証券の「100円からの自動売買」は、リピート注文(事前に指示した値幅の取引を繰り返す注文方法)を自動売買として展開しています。
「安く買って高く売る」という1方向の売買戦略なので、初心者の方でも分かりやすく運用できます。
外為オンライン▶ iサイクル2取引
外為オンラインの「iサイクル2」もリピート注文を自動売買として展開しています。
想定変動幅を裁量的に設定し、指定された値幅の中でリピート注文を繰り返します。
売りのリピート注文も可能ですので、相場の状況にあわせて変更することもできます。
インヴァスト証券▶ トライオートFX
インヴァスト証券の「トライオートFX」は、あらかじめ準備された取引ルール(自動売買プログラム)を選択して自動売買の運用を行います。
取引ルールの中には人気ブロガーやSNSインフルエンサーの取引ルールもあります。
また、自身で簡単にテクニカル指標を使ったロジックの設定を行うことも可能です。
個人的なおすすめはどっち?
ここまででMT4を利用した自動売買、各証券会社の独自システムを利用して行う自動売買それぞれのメリット、デメリットや主要な証券会社についてお話してきましたが、
私個人はMT4を利用した自動売買を行っています。
各証券会社の独自システムを利用して自動売買を行う場合、そのシステムのロジックや内容を変更できず、
あらかじめ準備されたシステム内容で運用することになりますが、
証券会社が用意したプラットフォーム(取引システム)を使うということは証券会社側で取引システム内の操作を行うことも可能だと言える=取引の透明性に欠ける事態も考えられるため、
私は基本的に証券会社から提供されたシステムを使用しての自動売買は行っていません。
また前述したとおり、MT4で行う自動売買ではさまざまな開発者が作成したプログラムを利用できるため、
豊富なプログラムの中から自身のロジックに合ったシステムを使って自動売買を行うことが可能です。
MT4の開発を行っている会社と証券会社とは基本的に別の会社ですので、比較的取引の透明性も高いと言えるのではないでしょうか。
さらに、自身が開発したロジックを利用した自動売買であれば都合に合わせて都度ロジック内容を変更することもできるため、より柔軟性のある自動売買を行えます。
上記の理由から、結局どちらがお勧めなのかと問われれば、私個人としてはMT4を利用した自動売買をお勧めしています。
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