ハーモニックパターンとは?MT4での活用方法
公開日:ハーモニックパターンについて
これまで説明しました基礎的なフィボナッチの概念や分析を踏まえた上で、ここでようやくハーモニックパターンという概念を持ち込みます。
ハーモニックパターンとは
「ハーモニックパターン」とは、「ハーモニック(調和)」「パターン(型)」という意味を掛け合わせた言葉であり、
チャート上の高安値にフィボナッチを当てて結ばれた線で形成されたパターンから次の反発を予測するトレードスタイルの事です。
フィボナッチ比率は主に【23.6%・38.2%・50.0%・61.8%・76.4%】の5つの数値が使用されます。
ハーモニックパターンはスコット=M・カーニー氏が考案したもので海外の多くの投資家が注目していると言われており、欧米では比較的メジャーなトレードスタイルのようです。
波動のサイクル帰結を把握するために使い、天井や底を見極めることが出来るというものです。勝率は80%~90%とも言われており、数百pipsを狙えることも多々あります。
実践して頂きその精度の高さを肌で感じてもらいたいと思います。
フィボナッチにおける発生条件を満たし形成されると下記画像のように三角の図形が組み合わさりチャート上に表示されるものです。
[Bullish Crab] 買い (画像左) M字
[Bearish Crab] 売り(画像右) W字
この二つが存在しています。
反転を示唆するこのパターンが形成された事が一つのエントリーの目安となり、逆張りでエントリーするのです。
このエントリーポイントであるD点 [PRZ](ポテンシャルリバーサルゾーン)を割り出していくのがハーモニックパターンの分析方法です。
ハーモニック基礎編
ここからはハーモニックパターンの基本的な考え方を解説していきます。
ハーモニックパターンは「ダブルトップ」や「ダブルボトム」といった代表的なチャートパターンと同じようにM字、W字になっているものです。
ハーモニックの仕組み
XABCDの各点を結
まずハーモニックパターンはX→A→B→C→Dと左から順に点を捉えて線を結び、
一つのパターンとして認識します。
1.X→Aにフィボナッチリトレースメントを引いて見ている
2.A→Bにフィボナッチエクスパンションを引いて見ている
3.B→Cにフィボナッチリトレースメントを引いて見ている
基礎的なロジック、考え方としてはこれら3つの視点で相場を見ているトレーダーがエントリーをするポイントが集約する、
「D地点」PRZ(ポテンシャルリバーサルゾーン)-潜在的反転ゾーン-
からのエントリーを狙うことで大きな利益を獲得出来るというものです。
【XAリトレースメント】
XAとはフィボナッチリトレースメントを引くための起点と終点になるポイントを指します。
M字やW字で例えるなら1画目の部分にあたり、X→Aにフィボナッチ・リトレースメントを引いている人の視点です。
押し目になるポイントを買いで利益を狙っていく場面。
起点となる底値X(高値)から、Aまでフィボナッチ・リトレースメントを引くことで準備は完了です。
このXAのフィボナッチ・リトレースメントが、ハーモニックパターンの要となるので、しっかり覚えておきましょう。
[ABエクスパンション]
A→Bにフィボナッチ・エクスパンションを引いて見ている人の視点です。C地点の次に反発するポイント(D地点)での買いを狙う場面。
[BCエクステンション]
B→Cにフィボナッチ・リトレースメントを引いて見ている人の視点です。これはX→Aと同じく、押し目となるポイントで買いを狙う戦略。
これらを重ねてみると…
3つの視点のトレーダーのフィボナッチラインが四角の中で収まっている。
ここがハーモニックパターンの[D地点]=『PRZ』(ポテンシャルリバーサルゾーン)です。
このPRZは3つの視点で相場を見ている世界中のトレーダー達の買い注文が溜まっているゾーン帯であることが分かります。
これがハーモニックパターンの形成される原理になります。
そしてここからが私が応用している使い方に関するお話です。
フィボナッチ数に基づき形成されている事がうかがえるかと思いますが、このハーモニックパターンを用いて資金管理を行いトレードの戦略を立てていくというものです。
XAUUSD30分足から抜粋。2024年4月時点
買いパターンが乱立してどれも上昇しており精度の高さがうかがえる。
使用するメリット
【FXハーモニックパターン】3つのメリット
ここからは、ハーモニックトレードのメリットについて解説していきます。
【メリット】
- 逆張りで高勝率を狙える
- リスクリワードが良い
- 応用で幅が広がる
それではEAとも相性が良いハーモニックパターンのメリットを具体的にお伝えしていきたいと思います。
【リスクリワードが格段に良い】
-リスクリワード比の良い逆張りが可能になる-
ハーモニックトレードにおけるエントリーは基本的に逆張りになるわけですが、逆張りと聞くと無条件に勝率が低いイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかしハーモニックパターンはそもそもフィボナッチ数がベースとなっているため、その優位性が高いという事が特徴の一つに挙げられます。
通常の逆張りと違い最大限にリスクを抑えた上で反転していく箇所にフォーカスしているため大衆心理を逆手に取り大きく稼ぐ事が出来るわけです。
こういった局面を効率よく捕らえる事が出来、尚且つ高勝率の取引を狙えるのは大きな魅力の一つでしょう。
逆張りなのに損失を最大限に小さく抑え込めるという特徴があります。
通常の逆張りだと明確なエントリーの根拠が乏しいケースがほとんどなのでエントリー後、含み損が増大していく事が多いですが、
ハーモニックパターンの場合は反発が起こるゾーン(PRZ)に限定したエントリーができるので優位性が非常に高いのです。
そのため損切りを浅く設定することができるので、損切りになっても損失を極限まで抑えることができます。また決済目安をパターンの波動で計る事が可能です。
これはハーモニックパターンの大きなメリットであり、世界中で取り入れられる大きな理由の一つでもあります。
そもそもハーモニックパターンは出来高の多寡で形成された点と点で結ばれるので重要な価格帯、大きな値動きを見せた箇所というのを視覚的に捉える事が出来ます。
【応用で幅が広がる】
ハーモニックパターンは原理さえ理解すれば非常にシンプルなトレードスタイルです。
一度基本である型を覚えてしまえば、あとは組み合わせ次第でいくらでも応用が利くトレードスタイルでもあります。
例えばライントレードやダウ理論に基づくだけでトレードを行う場合ではフィボナッチ以外で反発点を予測する必要性があります。
レジスタンスライン、サポートラインを引いたりと非常に分析にも時間が掛かり大変です。
しかしハーモニックパターンは、フィボナッチを引いておくだけで済むのでとても簡単です。
例えば、RSI/ストキャスティクスなどのオシレーター系のインディケータを使い逆張りエントリーをしていた場合、
エントリーの根拠としてハーモニックパターンをプラスすることが出来ます。
ライントレードのみでトレードする場合は騙しに遭う事も多く一か八かのギャンブルトレードになりやすい傾向がありますが、これらのトレードスタイルにも応用が出来るのです。
フィボナッチ数に基づいたハーモニックパターンというフィルターを増やす事で根拠の優位性が増すでしょう。
このように既存のトレードスタイルにも簡単に採用できる事が、ハーモニックパターンのメリットといえます。
まとめ
今回はハーモニックパターンがフィボナッチ数に基いて形成された高安値の点を結ぶ事で浮かび上がった図形である事、
その構造についてご理解頂けたかと思います。
次回の記事ではパターンの詳細についてお見せしたいと思います。
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